「ほうれん草はあく抜きをしないと食べられないから、めんどくさい」と思っていませんか?
そんな方におすすめしたいのが、「サラダほうれん草」です。
その名の通り、サラダとして楽しめるほうれん草で下茹でが不要。生食できます。
どうしてサラダほうれん草は生食が可能なのかという理由は、普通のほうれん草との違いを説明すればわかります。
この2つの栄養価の違いなどとあわせて、ご説明していきたいと思います。
サラダほうれん草とは
サラダほうれん草はほうれん草の一種で、生食できるものを指します。
ほうれん草は緑黄色野菜の一種ですから、β−カロテンを多く含む野菜です。
加えて、鉄分や葉酸、ビタミンC、カリウムなどの栄養素も豊富で、日頃からぜひ積極的に取り入れたい野菜だと言えるでしょう。
同じような葉物野菜には小松菜やチンゲン菜がありますが、葉の食感のやわらかさや味の面で、ほうれん草は人気があり、和洋中いずれの料理でもよく使用されています。
そんな万能野菜のほうれん草ですが、弱点が一つ。
それは、あくが強いこと。
あくの主成分はシュウ酸で、体内にこのシュウ酸が取り込まれるとカルシウムと結合してシュウ酸カルシウムとなり、腎臓や膀胱に石がたまる心配があります。
そのため一般にほうれん草はあく抜きのため、下茹でしてから使われます。
このほうれん草の弱点を解決したのが、サラダほうれん草です。
水耕栽培を取り入れるなど栽培方法を工夫することで、シュウ酸の含有量を極端に軽減し、生食できるようになりました。
茎が長めで葉もやわらかい見た目をしていて、味もえぐみが少なく食べやすいという特徴を持っています。
サラダほうれん草とほうれん草の栄養価の違いは?
「日本食品標準成分表」には、現在サラダほうれん草の栄養価の記載はありませんが、サラダほうれん草はほうれん草の一種ですので、それぞれの栄養価はほぼ同じだと言えるでしょう。
しかしこれらを食べる時に、あく抜きで下茹でをするかしないかによって、栄養価に違いがでてきます。
たとえばビタミンC。
水溶性ビタミンの1つであるビタミンCは、茹でるとゆで汁に溶け出してしまいます。
実際に残存率を計測した実験によると、生の状態のビタミンC含有量を100%としたとき、1分茹でると74%にまで減少するとのこと。
茹で時間が長くなれば長くなるほど減少率は高まり、3分を過ぎれば半分以下になってしまうのです。
茹で終わった後に冷水にさらせば、さらにビタミンCは溶け出していくことが考えられますよね。
1分水にさらしただけで残存率は80%になるという実験結果があります。
カリウムについても、下茹でによって損失が大きいことが予測されます。
実際、腎臓疾患でカリウムを制限している方のお食事では、茹でこぼしをしてから使用することでカリウムを減少させているからです。
疾患を持っていない健常な方の場合、カリウムは積極的に摂りたい栄養素と言えます。
私たちは日頃塩分が多めの味付けに傾きやすく、ややナトリウムの摂取量が過剰になりがち。
余分なナトリウムの調整に働いてくれるのが、カリウムなのです。
このように下茹でによって損失しやすい栄養素を生で食べることで逃さず摂取できるという点で、サラダほうれん草はほうれん草の食べ方のうちで、栄養価の高い食べ方だと言えるでしょう。
サラダほうれん草の楽しみ方
サラダほうれん草の楽しみ方は、その利点を生かして、生で楽しむのが一番。
サラダはもちろん、茹で上がったパスタの上にたっぷり載せるなんて食べ方も良いですね。
β−カロテンは脂溶性ビタミンなので、油脂分と一緒に摂取すると吸収効率が良くなります。
サラダのドレッシングやパスタソースのオイルなどをからませて、食べましょう。
また、サラダほうれん草に含まれる鉄分の吸収を促進するためには、ビタミンCとたんぱく質とあわせて摂取すると良いでしょう。
ビタミンCはサラダほうれん草自身も含んでいますから、サラダにきざんだ茹で卵を散らしてミモザサラダなどにしてみてはいかがでしょうか?
柑橘類やトマトなどをあわせてサラダにすれば、見た目も良くなり、ビタミンCも強化されます。
まとめ
あく抜きの下茹でをしなくても食べることのできる、サラダほうれん草。
手軽さ、食べやすさだけでなく、調理による栄養素の損失も抑えられるため、高い栄養価が維持されるという利点もあります。
売り場では「サラダ専用ほうれん草」などの商品名で売られていることが多いでしょう。
ほうれん草の新たな楽しみ方を、ぜひお試しください。
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