きび砂糖とてんさい糖と三温糖の違いを詳細に解説!

きび砂糖やてんさい糖、あるいはグラニュー糖、上白糖、三温糖と書かれているものまで、砂糖の売り場に行くと、思いのほか種類が多いことに驚きますよね。

低糖質甘味料や液糖だけでなく、いつもお料理に使うような大袋タイプのお砂糖でも白いものや茶色いものと、複数種類が展開されています。

大袋タイプのお砂糖だと、そう何種類も購入することはないと思いますから、なんとなくいつも決まったものを選んでしまいがち。

さて、みなさんは違いを知ってお砂糖を選んでいるでしょうか。

今回はきび砂糖、てんさい糖、三温糖についてどのようなものかをご説明しながら、その違いや使い方について解説したいと思います。

きび砂糖とは?

きび砂糖というのは、日新製糖株式会社が商標を持っている商品名です。

きび砂糖は薄い茶色のお砂糖で、ミネラル分を含んでいるためコクがあります。

独自の製法によって作られていて、砂糖を精製していく途中で砂糖液を煮詰めて製品としています。精製糖に比べてミネラル分が多いのは、この製法によるものです。

また、独特の風味も持っています。

きび砂糖とてんさい糖の違い

私たちが日頃食べている多くの植物性食品の中には、穀類やいも類のように糖質をでんぷんの形で貯めこむものと、ショ糖(砂糖の主成分)の形で貯めこむものとがあります。

ショ糖の形で貯めこむ植物に、さとうきびてんさい(サトウダイコンやビートとも言います)があります。

この他にも、サトウカエデやサトウヤシもありますが、日頃口にしている砂糖のほとんどが、「さとうきび」か「てんさい」を原料にしています。

きび砂糖はさとうきびから作られる砂糖で、てんさい糖はてんさいから作られる砂糖です。きび砂糖とてんさい糖の違いは、砂糖を取り出してくる原料である植物の違いなのです。

私たちが日頃口にしている砂糖の約7割はさとうきびを原料としていますから、同じくさとうきびから作った糖でも、種類によって味わいが違うことがわかりますよね。

甘さは砂糖の主成分であるショ糖である点では共通しているので、味わいの差はショ糖以外にどのような成分を含んでいるかによって出ます。

きび砂糖とてんさい糖の味わいの違いは原料の違いよりも製法の違いに由来する点が大きいでしょう。

きび砂糖と三温糖の違い

三温糖とは

三温糖もきび砂糖と同じく、さとうきびから作られることの多い砂糖です。

色合いも薄い茶色で、見た目はきび砂糖とよく似ています。

三温糖の「三」とは、何を示しているか、ご存じでしょうか?三温糖は上白糖と同じ「車糖」というグループに属します。

ショ糖を非常に細かい粒子に結晶化させて、表面にビスコと呼ばれる転化糖を吹きかけて仕上げる砂糖です。

転化糖というのは、ブドウ糖と果糖から成るショ糖を、酵素や酸で分解して、バラバラの状態にしたもの。

くっついている時よりも反応性が高くなるので、転化糖を吹きかけている車糖は、転化糖を含まない糖よりも加熱した時に焼き色が付きやすくなったり、砂糖の香ばしい香りが出やすくなったりします。

車糖の中でも白い結晶である上白糖は、製造中の早い段階で作られる砂糖。

これに対して三温糖は、上白糖を取った後の糖液を再び煮詰めて作っていく砂糖なのです。

三温糖の「三」とは、繰り返し煮詰められていることを示しているのです。

この煮詰めが繰り返されることによって熱が入るため、三温糖はほのかに茶色がかった色合いになるのです。

製造法の違い

きび砂糖が砂糖の製造していく途中で砂糖液を煮詰めて作るのに対し、三温糖は蜜をしっかり分離した糖液を煮詰めて作っていきます。

この工程の差によって、きび砂糖にはミネラル分が残り、三温糖にはほとんどミネラル分が残りません。

ミネラル分が多いということは、砂糖の主成分であるショ糖以外の物質が入っているということになり、甘みに関しては純度が下がる分、味わいに複雑さが増します。

単なる甘いのとは少し違う、優しい甘みや独特な風味を感じることができるのです。

茶色い砂糖は身体に良い?という誤解

ところで、カフェのテーブルシュガーで白いお砂糖と茶色いお砂糖があったら、どちらを選びますか?

ある砂糖メーカーさんがおっしゃるには、茶色いお砂糖が人気なのだそう。

理由は、「身体に良さそうだから」ということらしいのですが、砂糖であることには変わりないので、実は色の違いが健康に及ぼす影響はそれほどないと考えられます。

でも消費者心理が茶色い砂糖を好むのであれば…と、三温糖にあえて着色をしているメーカーさんもあるそうです。

三温糖のパッケージで原材料名欄を見て、さとうきび以外に「カラメル色素」という表記があった場合は、本来の色よりも茶色く加工していることがわかります。

砂糖の使い分け

きび砂糖とてんさい糖、三温糖と砂糖の種類を見てきましたが、使用用途の使い分けを知っておくと、砂糖選びに役立ちますよね。

きび砂糖はミネラル分を含む雑味が持ち味ですので、煮物などに向きます。

自然派志向のお菓子を作る際に、あえてきび砂糖を指定しているレシピもあると思います。

てんさい糖はクセがあまりなく、上白糖と同じように使用することができます。

三温糖も上白糖とあまり区別しなくても良いのですが、焦がして使うような、強い甘みとコクを出したいような場合に向いています。

佃煮のようなものを作る際には、三温糖が向いているでしょう。

まとめ

砂糖の売り場にたくさんの種類があるのは、原料の違いや製法の違いと、細かい違いがあるからなのですね。

甘さは身体が欲するものですが、甘さの感じ方は微妙な違いでもおいしさに影響します。

砂糖の違いを知って選べるようになったら、かなりの料理上級者と言えるのではないでしょうか。

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