食卓を彩る香酸柑橘類に、すだちとかぼすがありますが、違いをご存じでしょうか?
「良い香りがして、緑色をした…」と考えると、すだちだか、かぼすだか、どちらかわからなくなってしまいがちですよね。
そこで、すだちとかぼすの違いをご紹介しつつ、栄養成分に違いはあるのか、味は違うのか、使われ方などを探ってみようと思います。
目次
すだちとかぼすの履歴書
すだちとかぼす、どちらもミカン科ミカン属に属し、香酸柑橘類として香りを楽しむ果実です。
果実と言っても実を食することは少なく、果汁を調味料的に使われることが多い点が似ています。
皮をそぎ切りにして吸い口や飾りのように楽しむのも良いですよね。
黄ゆずとして黄色くなった姿が流通することの多いゆずに対し、同じような使われ方でもすだちやかぼすは緑色のものが一般的によく使われる姿です。
すだちとかぼすの違い1:見た目
実はすだちとかぼすは見た目が違います。大きさを比べると一目瞭然。
1個30〜40グラムの小さな果実であるすだちに対して、かぼすの果実は1個100グラム程度。
すだちは熟すと黄色くなりますが、緑色の果実の方が、風味が良いとされています。
切ってみると外皮は薄くてやわらかく、黄色味の強い果肉をしていて、多汁です。
対してかぼすを切ると外皮は厚いので、皮ごと絞って使われます。
果肉は淡い黄色で、緑色が薄っすらと残った色合いをしています。
すだちとかぼすの違い2:産地
すだちもかぼすも日本で出回っているほとんどが特定の原産地を持ちます。
すだちは97%を徳島県で栽培しており、残りをわずかに佐賀や高知で作っています。
かぼすは96%を大分県で栽培しており、愛媛や宮崎でもわずかに作られています。
すだちとかぼすの違い3:味わい
すだちとかぼすの味わいは、とても似ています。
強いてあげるのなら、すだちの方が香り豊かで酸味も強いでしょうか。
小さい果実でしっかり酸味が効いているというのが、すだちの特徴です。
かぼすは香りが控えめで、さわやかな酸味があります。
かぼすは未熟果の緑色の時点で使われることが多く、黄色くなる前の方が酸味を感じることができ、特有の香りも感じやすいとされています。
すだちとかぼすの違い4:使い方
すだちは、香り高いまつたけと合わせて使われることが多く、土瓶蒸しなどに添えられてきます。
かぼすは地元大分のふぐ料理には欠かせない存在です。
どちらも豪華食材ですよね。旬や香りも楽しむ和食の味わいに、すだちもかぼすも、香酸柑橘類として好まれています。
でも、高級なお料理でばかり楽しむのではもったいないですよね。
焼き魚や焼き鳥、うどんなどに使っても良いですし、ポン酢や酢の物にしてもどちらの味わいもさわやかで酸味が強すぎず香り高くて、お料理を引き立ててくれます。
出回りは周年ありますが、だいたい9月〜10月が最盛期である点も、共通しています。
すだちとかぼす 栄養や成分に違いはある?
多少の酸味の違いはあれど、一度に使用する量がそれほど多くないため、すだちとかぼすから摂取できる栄養や成分には、大きな違いはありません。
いずれもビタミンCやクエン酸を含んでいます。
ビタミンCは吸収率の低い鉄分の吸収を助けてくれるので、すだちやかぼすをお料理に絞って使うと、栄養面も強化されますね。
またクエン酸には疲労回復効果も期待できます。
食欲が落ちているときにはその酸味や香りで食欲が助長される効果とクエン酸の効果が、どちらも疲労回復に役立ちます。
香りの成分では、リモネンやピネンといった柑橘類に多い成分をどちらも含んでおり、リラックス効果が期待できます。
まとめ
すだちとかぼすは、見た目や産地に違いがあるものの、味わいや栄養は大差ありません。
どちらも、さわやかな酸味や香りを楽しむという点では存在感を発揮してくれますので、見かけた際には違いをあまり気にせず、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。
また、薬味として使うだけだともったいないので、すだちやかぼすを主役にしたお料理も、ぜひ作ってみてください。
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