カニカマはもともとカニを模したコピー食品として出回った食材ではありますが、見た目・味ともにどんどん本物に近づいていくことで美味しさが増しました。
ご存知の通り、現在ではすっかり私たちの食生活に定着しましたよね。
サラダや酢の物などに使いやすく、お値段もお手頃ですのでよく食べているというご家庭も多いと思いますが、栄養成分を意識したことはあるでしょうか?
実はカニカマは栄養価で見ても、とても優れた食材なのです。
その栄養価の優秀さから「長寿食材」などと言われることもあるんですよ。
これまでの「美味しいから食べる」「便利だから食べる」という理由以外に、「栄養価が高いから食べる」という理由が加わるように、この記事ではカニカマの栄養価について解説していきたいと思います。
カニカマの原料
カニに見た目も味もそっくりでありながら、カニカマにはカニ肉は入っていません。
主原料はスケトウダラが使われることが多くあります。
スケトウダラはタラの一種で、淡泊な味わいの白身で、マダラと比較すると味が落ちることからそのまま食べるよりも加工品にされることの多いお魚です。
カニカマ以外にもかまぼこをはじめとする練り製品によく使われています。
カニカマはスケトウダラのすり身に卵白・でんぷん・食塩などを混ぜて身の主体を作り、弾力や食感を出しています。
繊維質の形状にして割けるように形作ることでカニらしさを表現していて、まるで本物かのような完成度はすごいですよね!
さらにカニ肉のように見せるため、表面には赤い色素で色付けをしています。
トマトやパプリカから作られる天然着色料が使われることが多いようです。
カニカマの栄養成分
カニカマは原料であるスケトウダラ由来のたんぱく質と、途中で加えられるでんぷんによって炭水化物を含みますが、脂質の含有量は少なく、エネルギーは100グラムあたり90キロカロリーと、本物のカニやその他の魚介類とあまり変わりません。
たんぱく質
カニカマは良質なたんぱく質を摂取するのに適した食材だと言えます。
たんぱく質の含有量は100グラムあたり12.1グラムあります。
肉や魚はたんぱく質を摂取できる反面脂質の含有量も多いのですが、カニカマは脂質をあまり摂ることなくたんぱく質を摂取できる食材なのです。
たんぱく質は私たちの体内で、筋肉や血液などの構成部位の材料となります。
また酵素やホルモンといった体内調節に欠かせないものの材料ともなります。
身体を作り、調節するうえでは欠かせない栄養素なのです。
しかし年齢を重ねるほどに食が細くなるとたんぱく質の摂取が難しくなり、運動器が弱ってしまう状態に陥りやすくなります。
年齢を重ねていけばいくほど、日頃から良質なたんぱく質の摂取を意識したいものです。
カニカマが長寿食材と言われているのも、余分な脂質を摂取することなく良質なたんぱく質を手軽に摂取できるからなのです。
食が細くなってきて、なかなかたくさん食べられなくなってきた高齢の方にとっても、柔らかくて食べやすいカニカマは適した食材と言えるでしょう。
炭水化物
すり身をまとめて弾力を出すために加えられているでんぷんによって、炭水化物は100グラムあたり9.2グラム含まれています。
炭水化物の役割は何と言ってもエネルギー源。
体内でエネルギーとして使われる栄養素には、炭水化物のほかにもたんぱく質や脂質がありますが、たんぱく質は先ほどお話した通り、身体を作るために大切な栄養素。
エネルギーを炭水化物でしっかり摂れば、たんぱく質をエネルギーとして使わなくて済み、身体の維持に役立ちます。
一般的に魚介類は炭水化物の含有量はあまり多くありませんが、カニカマは一つの食材にたんぱく質と炭水化物の両方をしっかり含んでいる点が優秀だと言えるでしょう。
色素成分
摂取量はわずかではありますが、表面を彩っている赤い色素が「天然色素」と表示されている場合には、リコピンなどの成分の摂取が期待できるでしょう。
リコピンはトマトなどに含まれている赤い色素で、強い抗酸化作用を持っています。
身体を酸化ストレスから守ってくれる働きが期待できますから、わずかでも摂取できるのはうれしいですよね。
塩分の摂り過ぎには注意
良いところ尽くしのカニカマですが、気をつけたい点が一つあります。
それは塩分の摂り過ぎに注意したいということ。
スケトウダラのすり身に弾力を出すために製造工程で食塩が加えられますから、カニカマ100グラムあたりの食塩相当量は2.2グラムになります。
1回に食べる量と言えばせいぜいカニカマ5本くらいで、食塩に換算しても0.3〜0.5グラム程度と問題になる量ではありませんので、食べ過ぎに注意して楽しみましょう。
まとめ
カニカマは栄養価の高い優秀な食材であることがわかりました。
年齢を重ねていくと難しくなる良質なたんぱく質の摂取に適しているほか、脂質の含有量が少ない点もうれしいですね。
食塩の摂り過ぎに気をつけるためには、単体で食べるのではなくサラダや酢の物、あるいは炒め物などの具材にして取り入れ、その際に塩分の使用量を控えるなどの配慮をすると良いでしょう。
長寿食材と呼ぶにふさわしい優秀な食材ですから、上手に取り入れてみてください。
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