一般的にごぼうはアク抜きを必要とする野菜として知られていますが、実はそのアク抜きで損をしているということをご存知ですか?
実は、ごぼうはアク抜きすることで健康に良いとされる成分を大きく損失してしまいます。
つまりアク抜きは不要ということです。
これまでアク抜きをしていた方にとっては、この事実はとても驚かれるかもしれませんね。
そこでこの記事では、ごぼうをアク抜きすることで、これまでどんなに損をしていたのかについて書いていきたいと思います。
あわせて、アク抜き不要のごぼうの処理方法についてもご紹介させていただきます。
目次
ごぼうがアク抜き不要である理由
ポリフェノールを逃さず摂取
アク抜きを必要だと言われている理由は、ごぼうを切るとアクの成分によって黒ずんでくるため。
黒ずみを防止するために、切ったごぼうを酢水にさらすなどのアク抜き処理をして、色をきれいに仕上げる方法が定説となっていました。
ごぼうを黒ずませる原因は、「クロロゲン酸」という成分です。
クロロゲン酸はポリフェノールの一種で、抗酸化作用を有することで知られています。
また、脂肪を蓄積しにくくしたり、糖尿病の予防に効果を発揮したりするのではないかと期待されている成分でもあります。
アク抜きのためにごぼうを酢水につけていると酢水が黒くなってきますが、これはクロロゲン酸が流れ出ている証拠。
せっかくごぼうが持っている健康維持に貢献してくれる成分をわざわざ捨てていたなんて、とてももったいないことをしていたのです。
食物繊維もしっかり摂取
食物繊維には不溶性と水溶性の2種類があって、どちらも腸の調子を整えてくれる働きがありますが、そのほかにも健康効果を有しており、それぞれしっかり摂取したい栄養素です。
ごぼうはスジが多い野菜なので、食物繊維が豊富なイメージがありますよね。
スジの多い野菜から摂れる食物繊維のイメージは不溶性の食物繊維ではないかと思うのですが、ごぼうは不溶性のみならず水溶性食物繊維も含んでいます。
しかしアク抜きのために酢水にさらしていると、水溶性食物繊維は流れ出てしまいます。
アク抜きをしないことで、ごぼうが持っている不溶性・水溶性両方の食物繊維を摂取できるのです。
風味が良い
アク抜きのために酢水にさらしていたといっても、酢は調味には関係ありません。
ごぼうはアク抜きをしないからと言って、味わいが悪くなるわけではないのです。
むしろアク抜きによってうま味や香りが逃げてしまっているので、アク抜きをしないことで、風味が良いごぼうを楽しむことができます。
ごぼうの栄養を逃さない下処理方法
ごぼうの魅力の一つとも言えるクロロゲン酸は、特に皮まわりに多く含まれています。
ですから調理の際にはぜひ、皮ごと食べましょう。
ごぼうは洗ったり、皮をむいたりしている最中から黒ずんでくるため、どこまで洗ったり皮をむいたりしたら良いかわかりにくく、洗いすぎたり皮をむきすぎたりしている可能性があります。
洗いすぎや皮のむきすぎは、栄養価も逃していますし、うま味や香りも損なってしまいます。
ごぼうは、たわしなどで表面についた泥を落とす程度に洗えば十分です。
さらにこだわるのであれば、下ゆでをするときも電子レンジを使うのがオススメ。
ざっくりと5センチメートル程度の長さに切ったごぼうを、電子レンジで素早く加熱することで、成分の流出が抑えられ、なおかつ美味しさもキープできます。
ごぼうを選ぶ際には、うま味を逃しにくい泥付きのものを買うようにすると、味・栄養価ともにさらに良いでしょう。
ごぼうの栄養をさらに活かす食べ合わせ
にんじん
きんぴらごぼうで定番のにんじんとの組み合わせは、栄養的にも相性バッチリ。にんじんにはごぼうに含まれていないβ−カロテンが豊富に含まれています。
豆腐
豆腐で良質なたんぱく質を補足しましょう。肉の代わりに豆腐とごぼうを使って、豆腐ハンバーグにするのが、オススメ。混ぜ込んでしまえばごぼうの黒ずみも気になりません。
やや油分の多い調理法にしても、ごぼうが持つクロロゲン酸の効果で気になりませんから、少し鶏ひき肉などを加えてみても良いでしょう。
梅干し
ごぼうにはミネラル分も豊富ですから、梅干しと食べ合わせると吸収率が高まります。食物繊維もしっかり摂れる副菜として常備しておくと良いですね。
まとめ
これまでアク抜きが必要と思い込んでいたごぼうですが、実はアク抜きは不要。
アク抜きをしない方が、栄養価・味ともに優れているなんて、びっくりですよね。
ごぼうからしっかり摂取したいクロロゲン酸や水溶性食物繊維を逃さないように、洗いすぎることなく、皮ごと食べるようにしましょう。
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